A Friendly Textbook on

Claude Code 大全

仕組みと全コマンドの教科書
2026 / 全15章 + 公式コマンド22章 + 用語集

ある日の Twitter/X のタイムライン。

/compactcontext rot が悪化したので /clear 派に戻った」 「サブエージェント に渡すと意外と速い、並列ワークツリー で 4 本走らせてる」 「MCP で Chrome 繋いだら開発体験変わった」 「hooks に型チェック仕込んで、変な編集止めてる」

このひと続きの言葉が、ひとつの物語として読めるだろうか。 本書はそのための地図帳である。

「コーディングエージェント」という言葉が、もう日常になった。 Cursor、GitHub Copilot Workspace、Cline、Aider、Codex、Devin ── そして本書の主役 Claude Code

ところが「で、結局あいつらは中で何をしてるの?」と訊かれて即答できる人は少ない。 ターミナルにテキストを入れたら、なぜか数十ファイルが書き換わって、テストが緑になっている。 この “なぜか” の正体を、本書は最後まで追いかける。

この本でやること

技術書としての完璧さは追わない。代わりに 「Claude Code 界隈の会話・ブログ・X ポストが、構造として読める」 を一貫したゴールにする。

読者が抱えがちな疑問は、たいてい次の 三つの層 に分かれる。本書はこの三層に正面から答える形で、第Ⅰ部 15 章と第Ⅱ部 22 章を組んでいる。

疑問① 原理が分からない ── そもそも LLM はなぜ “動ける” のか?第Ⅰ部 (第1-15章) が答える。agentic loop、function calling、context window、sub-agent、MCP ── これらを 比喩と構造図で根本から腑に落とす

疑問② コマンドが多すぎる ── /init /compact /agents /hooks って何が違う?第Ⅱ部 (公式コマンド逐次解説) が答える。公式コマンド 1 つ = 1 章 で、「そもそも何を解くコマンドか」から逐次解説する。

疑問③ 大全として網羅したい ── 後で引きたい → 第Ⅱ部は 辞書としても引ける ように設計してある。各章末に「読めるブログ」と「関連コマンド」を添え、第Ⅰ部の該当章への参照を張る。

章マップ

第Ⅰ部 仕組みを深く原理編 (1-3)LLM + ツール + ループ”動ける” の正体構造編 (4-6)context / prompt / toolなぜそう設計されたか制御編 (7-11)計画 / 記憶 / 権限 / hooksループを御する拡張編 (12-13)MCP / Skills外との接続面応用編 (14-15)自己改善 / 限界重ね方と境界第Ⅰ部の知識で、第Ⅱ部 (公式コマンド逐次解説) を腑に落とすセッション制御/clear /compact/export /cost第4章と地続き設定とメモリ/init /memory/config /permissions/model /add-dir第8,10章と地続きコードベース操作/review/pr_comments/vim第6章と地続き拡張機能/mcp /agents/hookscustom commands第9,11,12,13章と地続きCLI フラグ—print—resume—dangerous…運用編読み終えたときClaude Code 界隈の会話・ブログ・X ポストを、構造として読める”context rot” “MCP 経由” “サブエージェントで並列” “hooks で型止め” が地図の上に置ける
図 0.1 — 本書の全体構造。第Ⅰ部で仕組みを腑に落とし、第Ⅱ部で各コマンドを「そもそも何を解くか」から逐次解説する。点線は第Ⅰ部と第Ⅱ部の依存関係。

第Ⅰ部の各章は 15-20 分で読める 通読型、第Ⅱ部の各コマンド章は 5-10 分で引ける リファレンス型 ── 二つの読み方を一冊に同居させた。

最初の一読目は 第Ⅰ部だけを順に通読 するのがおすすめ。第Ⅱ部は、業務で /compact/hooks に出くわしたタイミングで、その章だけ引きに来ても良い。

こんな人向け

逆に、「LLM 研究の最先端アーキテクチャ」を求めている研究者向けではない。 本書は エージェントを実際に使う側の人 のための、なるべく腑に落ちる教科書として書いた。

前提知識

数式は出てこない。出てきても全部、言葉で補足する。

本書のスタンス

私はこの本を「使い方マニュアル」ではなく 「内部の構造図」 として書いた。 コマンドの引数を暗記してもらうことには関心がない。 代わりに、なぜそのコマンドが存在するのか、なぜその設計になっているのか ── そこに踏み込む。

Claude Code は速いペースで変わり続けるツールだ。引数や見た目は来年違うかもしれない。 だが 「agentic loop」「context window」「tool call」「sub-agent」「MCP」 という骨格は、もっと長く生き残る。

骨格を腑に落とした読者は、来年の Claude Code も、別のエージェントも、自分の頭で読めるようになる。 それがこの本の願いだ。

それでは始めよう

最初の章で問うのは、最も基本的な質問 ── そもそも「エージェント」とは何か だ。